人生黄金律

第10弾) 切り身の法則

切り身の法則
「切り身の法則」とは、
人間が肉や魚などを切り分ける時に必ず生じる
不平等の法則である。

「切り身の法則」とは、人間が肉や魚などを切り分ける時に必ず生じる不平等の法則である。

人間は、小魚であれば一匹丸ごと食べるが、マグロやカツオのような大魚は、切って食する。
例えば、マグロは切る部位によって、トロ、中トロ、大トロなどと呼ばれ、大抵はその部位ごとに価格が設定される。
ただ、同じトロの部位でも切っている場所によって、身の締まりやキメ、脂のノリなどのそれぞれに違いが出る。
当然、プロの人達は同じ部位の中でもどこが一番おいしいか、高いのかをわかっている。
一匹の中から切り分けるため、物理的に考えても、まったく同じ部位や切り身などあり得ないのだ。

不平等の世界では誰かが貧乏クジを引いている

商売上、切る場所に応じてあまり詳細に値段を設定するのは、手間がかかりすぎる。
また、お客の方もそこまで求めていないし、はっきり言って素人にはそこまで区別がつかない。
だから切り身の値づけは実にアバウトなのだ。

たかが"切り身"、されど"切り身"、はたして切り身一つでこのような疑問を持つ人がどれほどいるのだろうか?

平等にならない世界で、均一の値段がついている事実を理解しておかなければ、貧乏クジを引かされるのが関の山。
そんなことを考えるのは面倒くさいと思っている人は、いつも割高の買い物をさせられてしまう可能性が高いのだ。
もしかすると、割高や損をしている感覚の欠如が、何も考えない原因を作っているのかもしれない。

そんな人には、一匹まるごと食べられるか、左右対称に二人で平等になる魚を食べることをおすすめする。
これであれば基本的に切り身としての不平等さはなくなる。

何人かで食べる生き造りとなると、自分で選択する力の差が出てくる。
その時、どこを食べれば一番おいしいのかを知っている人は、かなり有利になるはずだ。
ただ、周りの目がある以上、わかっていたからといって、そこばかりを食べられるわけではない。

一人で一匹、二人で半分ずつ、数人で好きなとこを選択してと、ここまでは多少の差が出たとしても、まあ納得の範囲だろう。
やはり一番バラツキや差が出るのは、相手が選んだものを切って出されて食べる時である。

平等な食べ方

トロはトロでもどんなトロかが大切

普段から魚を食べ慣れていなかったり知識のない人は、お店に入って「トロ」を注文しただけでいい気持ちになり、また目の前に「トロです」と出されると、その時点でかなり満足してしまい、ただただ食べることに夢中になってしまう場合が多い。
そもそも、それがどんなところで獲れたマグロなのか、またマグロの中でも何の種類のマグロなのか、などまでは頭が回らないし、そもそも考える余地や余裕もない。

具体的は、マグロの種類だけでも、ホンマグロ、ミナミマグロ、メバチなど様々で、また、獲れる場所によって質や値段がそれぞれ異なる。
さらに、"天然か養殖"か"生か冷凍"かによってかなり価格や味に違いが出てくる。
こんなこと知らない、興味がない、考えたことがないと今までそれで損をしている可能性がある人のために、日本近海のマグロについて紹介しておこう。
(マグロの一口メモ参照)

マグロの種類だけでも、ホンマグロ、ミナミマグロ、メバチなど様々で、また、獲れる場所によって質や値段がそれぞれ異なる。さらに、天然か養殖か生か冷凍かによってかなり価格や味に違いが出てくる。

マグロ一口メモ

■天然生(@)と天然冷凍(A)の違い

天然マグロの中でも高値がつくといわれる大間のホンマグロの品質の理由は、「一本釣り漁」を行い、一般的な「はえ縄漁」よりも傷がつきにくく、また、釣り針に電気ショッカーをしかけることにより、瞬時にマグロを動けなくする技術も取り入れている。
一方、同じ天然マグロでも、遠洋漁業による冷凍ものがある。
現在の技術では瞬時に冷凍できるが、傷が付きやすいことと、冷凍・解凍の経過により味が落ちてしまう。

■天然(@A)と養殖(B)の違い

日本の養殖技術は高く、マグロもその一つだが、本来マグロは回遊魚なので、囲われた中でぐるぐる回るだけでは必然的に運動不足となり、トロ部分が多いようだ。

全てを知る必要はないが、少し知識を入れるだけで、お店での注文の仕方や食べ方も変わってくるはずだ。

生は鮮度が命

たくさんの食料品を扱うスーパーなどに行ってみると、品物の配列は賞味期限の短い方が前、長い方が後ろになっていることが多いため、それを知っている人は、わざわざ奥のものに手を伸ばして取ったりする場合がある。
ちょっとした知識と工夫で、新しいものを手に入れることができるのだ。

しかし、魚のお刺身などは、ほとんど消費期限が当日のため、切り身の内容を良く見て選ぶことになる。
生ものなので閉店間際になるとタイムセールをしている店も多い。

生ものにとって鮮度はまさしく命である。
そのため、魚の仕入れは大変重要なポイントになる。

そこで、魚河岸のサイクルや休日も知っておくことが大切だ。
例えば、築地魚河岸の場合、日祭日は市場が休みである。月に1度ほど水曜日にも休みが入る。
だから、市場が休みの日にお寿司屋に行くと、前日までに仕入れたものか冷凍ものが出されというわけだ。

当日の新鮮な生魚が食べたいのであれば、河岸が休みで仕入れできない日曜や祝日は避け、平日に行くべきだ。
また、年末年始、連休、盆休みなどに生は期待してはいけない。
特に、休みの最終日の方は冷凍モノがほとんどだろう。
(自分で船を出したり漁師から直接買っているところを除く。)
このことを知っていれば、お寿司屋や和食屋の行き方や使い方も変わってくる。
流行らない店や冷凍ものを使っている店を除けば、月曜日や連休明けなどに行くと、仕入れたばかりの新鮮なネタに出会える場合が多いということだ。

たまにはお寿司屋のカウンターに座ろう

お寿司屋に行って、テーブル席でお話しや食べることに夢中になるのはいいが、たまにはカウンターに座って大将の包丁さばきを観察するのも面白い。
良いお寿司屋さんは、トロを注文すると、桐箱から乾燥しないようにくるまれたトロのブロックを取り出し、切ってくれる。
その際、何個かあるトロのブロックの中で、大将が選んで取り出す。
そのブロックは、はたしてどこで獲れたトロなのか?
どこの部位なのか?どこを切ってくれるのか? いつのものなのか?
カウンターから見ていても、くるまれていて良くわからないし、結局は大将の選んで切ったものを食べるしかない。

では、その中で一番お得な切り身を食するには、どうしたら良いのだろうか?

それは、「切り身の法則」を理解し、そこの大将やオーナー、店主などにかわいがってもらうことだ。
ネタを出す側である大将達は、どれが、どこがおいしいか全てわかっている。
そして、当然相手の顔を見て出している。
もし、今回の「切り身の法則」のイロハさえも知らなければ、お店の人だって、何を出してもこの人には同じだと思ってしまう。
価値のわからない人に、良いものを提供してもあまり意味がないしもったいない。
出す側もしっかりその価値のわかる人に出して喜んで欲しいし、わかってくれる人にはまた出したくなる。
本当においしいものを頂くには、食べる側にも「切り身の法則」を理解することは大切なことなのだ。

「切り身の法則」を理解し、そこの大将やオーナー、店主などにかわいがってもらうことだ。

「マッサージの法則」でも書いたが、受け手である我々のレベル次第で相手のサービスの内容が 大きく変わることを認識することが重要だ。
全てに対して平等のサービスは理想だが、人間が行っている以上あり得ないことなのだ。
これから切り身を食べる時は、「木を見て森を見ず」と同じく、「切り身を見てマグロを見ず」にはならないよう、今回の「切り身の法則」を思い出して欲しい。

切り身を見てマグロを見ず

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